虹の彼方 - 小濑村晶

3/8/20241 min read

ラサの幽玄で夢のような歌声が、この不思議な曲に完璧にマッチしている。 この宝物のようなエレクトロ・ポップの美しさは、スムーズで淡々としたテンポと非常に美しいメロディを持っている。 作詞・作曲の稀代の巨匠である小瀬村クリスタルは、この曲を通して私たちを一歩一歩、夢の国へと誘うことに成功していると言わざるを得ない。 その一般的なスタイルが示すように、この曲は穏やかで自然で瞑想的だ。 冒頭のリードは甘くメロウで、そこに加わるドラムは滑らかでありながら心地よい。 ヴォーカルが入ると、その雰囲気にぴったりと合ったラサの歌唱に何度感嘆しても、すぐに気持ちが沈んでしまう。 静かで心地よいメロディーが続き、小さなクレッシェンドの後、ゆっくりとコーラスへと後退していく。 この時点でヴォーカルはゆっくりと複合し、増殖していくが、攻撃的なものではなく、やはり自分のペースで前進している。 大きな起伏もなく、メロディーに大きな変化もなく、曲はただゆるやかに前進し続ける。 この後、小さな起伏がいくつかあり、子守唄のように静かな印象も受けるが、4分29秒のところでようやく別のコーラスに移行する。 繰り返されるヴォーカル・ハーモニーは感動的で、まるで夜の浜辺の波が繰り返し砂を撫で、ゆっくりと潮を上げ、やがて大きなクライマックスへと積み重なっていくかのようだ。 声はユニゾンで奏でられ、伝説的な衝撃の代わりに安堵とかすかな悲しみがただよう。 クライマックスが引いて波が集まると、テンポがゆっくりと落ちてメロディがフェードアウトし、ゆっくりとこの夢から引き出される。 曲の長さは7分26秒に達するが、静かに聴けば、それが短いほとばしり、物語、夢のように思えることに気づくだろう。 目を覚ますと余韻が残るが、記憶や感情だけが蘇ってくるようだ。